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2012年 11月 20日

紅葉の大徳寺 -黄梅院(後編)-

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書院に入ると、南庭「直中庭(じきちゅうてい)」の全景が目に入ってきました。(2007年12月4日訪問)
※毎年春と秋に特別公開される黄梅院は、境内は撮影禁止になっていますが、訪れた2007年だけは撮影が許されました。



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書院前に広がる苔の美しい直中庭は、豊臣秀吉の希望により、千利休が66歳の時(天正16年(1588年頃)に作庭されたと伝わります。
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かなりの広さに苔をめぐらした池泉回遊式の枯山水庭園は、
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秀吉のシンボル軍旗瓢箪をかたどった枯池を手前に造り、伏見城の遺構と言われる大きな石橋が架かっています。また、正面には大徳寺の二世・徹翁禅師が比叡山から持ち帰ったと伝えられる不動三尊石が据えられています。
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庭園の左には加藤清正が朝鮮から持ち帰ったと伝えられる朝鮮灯籠が据えられています。
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訪れたこの時は庭園は美しい紅葉に加え、
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山茶花、ススキと秋の装いが凝縮された空間になっていました。
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緑の苔と鮮やかな紅葉が作り出す秋の直中庭はまさに絶景の美しさでした。
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書院を進むと本堂前に広がる枯山水庭園が目に入ってきました。
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この本堂前庭は「破頭庭(はとうてい)」と呼ばれ、手前半分に白川砂を敷きつめ、奥半分は桂石で区切って苔を配したシンプルな庭です。ちなみに左に見える華頭窓が庫裡前庭の奥に見えた唐門になります。
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天正年間(1573~91年)の作庭と言われ、苔の上には寄り添う2体の石があり、観音・勢至の2菩薩を表すとも言われています。
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庭園に降りかかる紅葉が、緑の苔と白砂に鮮やかな散り紅葉を積もらせていました。
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本堂から庫裡に向かっていくと、
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本堂と庫裡に挟まれるように坪庭が見えてきました。
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白砂と石組のこの庭を、
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北側の華頭窓から観ると、
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流れる水の流れを進む舟に乗っているかのよう。
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波の揺れさえ感じるほどでした。
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本堂の中には竹林七賢図、西湖図、芦雁図などが展示されていました。
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本堂の北裏側にも枯山水の庭園が広がっています。この庭は「作仏庭(さくぶつてい)」と呼ばれ、北東に枯山水の滝を表す立石を配し、南への流れの中に小船を浮かべ、本堂前の破頭庭へと連なった造りになっています。先ほどの坪庭の華頭窓から舟に乗っているかのように見えた庭は、この作仏庭から南の破頭庭の大海へと注ぎ込む流れを表しています。
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作仏庭を見ながら進むと、
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左側は緑の苔が広がっていました。
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お茶室への廊下の反対側には「雲池庭」が広がり、
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飛び石が続く苔の上にモミジが降り積もっていました。
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ここは方丈のちょうど裏側に当たり、方丈のほうを見ると、
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部屋越しに直中庭が見渡しました。
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暗いお堂越しに見る庭園は、
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紅葉が一層鮮やかでした。
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まるで紅葉の額縁庭園のような風景を眺めた後は、
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方丈、直中庭に戻ってきました。
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黄梅院は山門からは想像できないほど奥行きある広さの中に3つの異なる趣の庭園、多くの茶室、緑と苔の美しい境内を持つ何度も訪れたくなるお寺で、
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そんな中で見る紅葉も格別の美しさでした。
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大満足の黄梅院の拝観を終えて大徳寺の境内を歩いていると、
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ドウダンツツジの紅葉の向こうに、
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山門を額縁に見立てた紅葉が見えてきました。
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拝観謝絶の塔頭・正受院。
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人知れず続く参道を紅葉が包んでいました。

by kyoto-omoide | 2012-11-20 10:10 | 京都(紅葉) | Comments(0)
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