京都ガストロミー
御所の南、桜に抱かれてひっそり佇む、
「Kyo gastronomy KOZO」にランチに訪れました。
「最先端技術と和食の伝統の技が融合した、独創性豊かな新進気鋭のガストロノミー」
そんなフレーズがぴったりの創作和食ともフレンチとも称される大変人気のお店で、
楽しみに訪れました。
カウンター席に案内いただきました。
「Kyo gastronomy KOZO」は京都生まれのシェフが和食居酒屋で料理人として歩み出し、「ガストロミー」の存在を知り「化学×自然」が生む料理に惹かれ、2017年4月にお店をオープンされました。自然と化学を融合させた、ワクワクと楽しめる独創的な料理で驚きと感動の中で美味しさを感じることができるお店として、人気の高いお店になっています。
ドリンクは「日本酒ペアリング4種(S)1700円」をお願いしました。料理に合わせた極上日本酒ペアリングをいただくことができ、一杯目は京都の酒蔵、松本酒造の「澤屋まつもと 守破離(しゅはり) 雄町」。
まずは「Kyo gastronomy KOZO」のスペシャリテ、
アミューズ「苔テラリウム」。
木のお皿にのって出てきます。運ばれてくると驚きと笑顔が同時にやってきます。
シェフの母方の故郷である京都 美山の日本風景に魅せられて誕生したという「苔テラリウム」。
丁寧に手入された苔庭園の美しさを料理に昇華させた。独創的でアーティスティックなアミューズです。
マッシュポテトとフォアグラのクリームを絞り、自家乾燥させたほうれん草を纏った「苔」はまるで本物のようで、
四季に合わせて変わる独創性の高い一品です。
「春の苔テラリウム」は、
「フォアグラクリームとトリュフの香り 桜の花びらを散らして」。
桜の花びらに型どったビーツと大根が散りばめられています。
このアミューズに合わせていただく、
「澤屋 まつもと」のお酒。すっきりとした辛口の味わいがぴたりとはまっています。
黒い砂は古代米、白砂はコーンスターチ。岩は竹炭を使っているそうで、
恐る恐る口に運ぶと、
美山の自然の風景が思い出されるような、
見ても食べても楽しめる、
KOZOシェフ自慢の一品を堪能しました。
続いては「スープ」。
「宙に浮く苔玉 新玉ねぎとじゃがいものスープ 大地玉ねぎのチュイル 小松菜の柔らかいパンを添えて」
最初はスープとわからず、
どうやっていただくのか一瞬迷いましたが、
大地に見立てた玉ねぎのチュイルをつぶして、スープと一緒にいただきました。
添えられた花びらも春らしいスープでした。
次の料理の前に二杯目のお酒を持ってきていただけました。
宮城県石巻市の墨廼江酒造さんの「墨廼江 RICE IS BEAUTIFUL SoLiD 」。
宮城県の米・水・酵母を使用し、純粋で無垢なキレ味のある辛口(=SoLiDソリッド)をテーマに、キレ味を追求して醸し上げた純米吟醸酒です。
清らかな香りと爽快な味わいが特徴のお酒です。
続いて「魚の一品」。
「初鰹のコンフィ桜燻製 旬野菜に行者ニンニクのアリオリソースとバルサミコのオイルソースで」
ここで瞬間燻製の演出が楽しめます。
蓋をとると、
桜のチップの燻製の香りとともに、
煙が晴れて、
料理が現れる仕掛けになっています。
美しく、
春らしく、
一皿一皿丁寧に盛付けされたお皿に、
KOZOシェフの仕事ぶりが光ります。
桜のチップで燻製した、
初鰹のコンフィ。口の中に春がいっぱいに広がりました。
次のお料理に合わせて三杯目の日本酒が運ばれてきました。
ピンクのラベルが衝撃的な、
長野県佐久市の「大澤酒造」の「明鏡止水 酒門 純米吟醸 ALL NAGANO 生」。
米(ひとごこち)・水(蓼科御泉水源泉)・酵母(長野D)と信州産にこだわりオール信州で醸した、
フルーティでやわらかな長野県限定品を特別にいただけます。
酒蔵や酒屋とのつながりが深く、貴重な銘柄や人気のプレミア酒なども優先的に卸してもらえるという強みを活かした日本酒ペアリング、料理との絶妙な相性でいただけます。
目の前で繰り広げられる調理の模様を見ていると、
楽しさで時間を忘れるほどです。
そしてメイン料理の登場です。
「京都美山産鹿肉のロースト ドライトマトとアスパラガス 春の野菜を添えて 自家製ステーキソースと雲丹ソース」
旨味を凝縮したローストビーフに、
鮮やかな春野菜を、自家製のステーキソースと雲丹のソース、
そして、春の息吹のような華やかな上立ち香と口中に広がるジューシーさが特徴のお酒とともにいただく贅沢な時間。
肉厚のローストビーフを2種類のソースに絡め、新鮮な春野菜とともにいただくと、
特別なお酒との相性もばっちりで、
幸せなひと時でした。
そして土鍋ご飯が炊きあがりました。
「ご飯」。
素敵なお茶碗の蓋を開けると、
筍の香りと湯気とともに、
筍ご飯が姿を表しました。
「筍ご飯と木の芽 桜麩とせりのお吸い物 自家製おかか」
たっぷりの旬の筍の旨味が、
ご飯に凝縮され、セリのお吸い物と春を満喫できました。
ご飯もいただき後はデザートだけになりますが、そういえば4種類のペアリング日本酒を3種類しかいただいていないことに気づきました。そう思っていると、なんと最後のデザートに合わせたお酒が出てきました。
その名も「はるこい」。
まさに桜色のお酒です。
宮城県新澤酒造店の春酒「純米吟醸 はるこい」。
赤色酵母で醸した、見た目にも春らしい鮮やかなピンク色のにごり生酒です。
生酒のフレッシュ感、シュワッと心地良いガス感もたっぷりの溌溂とした味わいの限定300本蔵元出荷のプレミアムなお酒です。
そんなお酒といただく「デザート」。
「桜のトロンプルイユパフェ仕立て おからのキャラメリゼ 桜アイスに白玉 黒蜜の液体窒素仕上げ」
これだけでも桜ランチとしては最高の〆ですが、
まだまだ終わりません。
最後の仕上げは、
黒蜜の液体窒素の投入。
液体窒素で急速冷凍させた黒蜜が、
グラスの中で春の霞を生み、
それが晴れると、
完成です。
桜色のお酒と、
桜のパフェ。
まさに桜一色のデザートタイム、
とろりとシルキーな舌触りでイチゴを思わせる甘酸っぱく爽やかな味わいのお酒と、
桜の味わいを詰め込んだパフェをいただきました。
最後はコーヒーと、
ミニャルディーズ。
なんと石庭の器に入って出てきました。
ドリンクは一保堂の極上ほうじ茶を選ぶこともできます。
石庭の上には、
KOZO自家製小菓子。
寒天のお菓子と、
メレンゲ。
味わい深いコーヒーといただき、大満足のランチの余韻を楽しみました。
見て楽しんで、味わいを楽しんでと、時間の経つのも忘れる「Kyo gastronomy」。
毎月メニューが変わるそうで、何度でも訪れたくなるお店となりました。
目と口で桜を堪能したランチを終え、いい気持でお店を後にして、近くの御所南小学校の前を通ると、咲き誇る桜も一層華やいで見えました。